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札幌の税理士事務所からのお知らせ
2020.12.04
短期前払費用の特例の活用(家賃・保険料1年分前払い等)
店舗経営をされている方のうち、お店が自宅の一部という方もいらっしゃいますが、多くの方はテナントを借りて毎月家賃を支払っていると思われます。

家賃は「前家賃」が一般的で、翌年1月分の家賃を前月の12月下旬に支払うという場合がほとんどです。
例えば個人の確定申告の場合、この12月下旬に支払う家賃は支払った年の経費として認められるのでしょうか?

「前家賃」ですので、12月に支払う翌年1月分の家賃は、本来ならば翌年の経費になります。
このように前もって経費を支払った時は「前払費用」という勘定科目で処理するのが正しいです。

前払費用とは
「一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち、当該事業年度終了時(個人事業の場合はその年12月31日)においてまだ提供を受けていない役務に対応するもの」
とされています。
ただし、下記の要件を満たす場合、支払った日の属する年分の経費に計上することが認められています。

【要件1】その支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものであること。
12月に支払う翌年1月分の家賃であれば、「家を借りる」という役務を受けるのは翌月になり、1年以内なので該当します。

【要件2】支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の必要経費の額に算入していること。
上記のように12月に支払った翌年1月分家賃だけではなく、支払った日から1年以内の費用を年払いして短期前払費用として経費に算入することが可能となります。
これは「重要性の低いものについては厳密な期間対応を求めることなく、支払時点で経費算入を認めます」という重要性の原則に基づいたものとなっています。

【注意点】
「継続適用」が求められるので、単なる利益操作のために年払いをしたりしなかったり…というのまで認められるというわけではありません。
また、1年を超える年払いについては支払った額の全てが経費として認められない、などいくつか注意しなければならない点もあります。

短期前払費用としてよく使われるものは家賃や保険料の年払いです。
通常の12ヶ月分+αの経費が認められるため、即効性のある節税対策として有効です。
ただ、その分の資金が一時に流出してしまうので、キャッシュフローと翌年の利益なども考えた上で実行されるのが良いかと思います。


筆者:石山有美