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札幌の税理士事務所からのお知らせ
2019.07.31
不動産の賃貸契約の消費税経過措置
今年の10月より消費税が10%に引き上げられますが、飲食料品が8%のままとなる「軽減税率制度」と同時に、それ以外の一部の取引でも8%となる「経過措置」があります。 その経過措置の中でも、今回は「不動産の貸付」について説明いたします。
※居住用の賃貸であれば非課税ですが、駐車場やテナントの賃貸は消費税がかかっており、影響があります。

国税庁から経過措置について以下の案内があります。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kaisei/pdf/01.pdf
この中の「④資産の貸付」ですが、これだけを読み取ると、「H25.10.1~H31.3.31までに締結した契約で、R1.10.1以降も貸し付けている場合は、経過措置で税率8%適用」となります。 ここで注意しなければいけないのが、カッコ書きの(一定の要件に該当するものに限ります。)という文言です。
この要件にも該当しないと経過措置の対象とはなりませんが、この要件は下記の国税庁のQ&Aの「問28」に記載されています。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kaisei/pdf/02.pdf

簡単に書きますと、
①「貸付期間」及び「期間中の金額」が定められていること。
②金額の額の変更ができないこと。
③いつでも解約の申入れをすることができないこと、並びに資産の取得費用合計額のうちに契約期間中に支払われる貸付金額の合計額の占める割合が90%以上である


上記「①と②」、「①と③」どちらかに該当すれば経過措置の対象となりますが、③はリース契約に用いられる内容ですので、通常の不動産賃貸契約ではほぼありません。
よって、①と②の要件を満たしているかの判断になりますが、大体の場合は下記のような文言が入っているかと思います。
「本物件の維持管理費・保険料・地代・公租公課の増額及び経済事情の変動により貸主の負担が著しく増加した場合は賃料等の額は変更することができる。」
全く同じではなくても、同様の内容の文言があれば、賃料の変更が可能となり、②の要件を満たさなくなります。

結果として、通常の賃貸契約の場合だと経過措置を適用できるケースは少ないのではないでしょうか。期間等の要件だけで判断せず、契約の内容も満たしているか是非確認してみてください。


執筆者:福田陽介