事業年度途中に取得した減価償却資産の償却期間について
事業年度の中途で事業の用に供した減価償却資産の場合、償却限度額の特例があります。
当該事業年度の償却限度額に相当する金額を当該事業年度の月数で除し、これにその事業の用に供した日から当該事業年度終了の日までの期間の月数を乗じて計算した金額が償却限度額となります。
なお、月数は暦に従って計算し、一月に満たない端数が生じたときは、これを一月とします。
ここで問題となるのが事業の用に供した日から事業年度終了の日までの月数です。
以前、税務専門誌において、7月31日に事業供用した減価償却資産について、9月決算の場合は2か月、10月決算の場合は4か月が正しい償却月数という記載がありました。
その考えに基づけば下記のようになります。
例)
5月末決算法人が4月30日に事業供用した場合⇒償却月数2か月
9月末決算法人が8月31日に事業供用した場合⇒償却月数1か月
では本当にこれが正しいのでしょうか。
というのも、民法及び国税通則法において、期間を計算する際、初日不算入というルールがあり、これによると上記の結果とは異なることになると思います。
また、減価償却ソフトでも上記の償却月数ではなく、単純にカレンダーの枚数で判断しているものもあります。
償却月数が1ヵ月変わるかどうかの話なので、多くのケースではさほど大きな問題にはならないと思いますが、やや複雑な論点ですので専門家と相談して意思決定されるのがよろしいと思います。
筆者:中塚