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札幌の税理士事務所からのお知らせ
2019.04.24
法人が受取人となる死亡保険金の収益計上時期
 A社(6月決算法人)の代表取締役であるB氏は、旅行中に心筋梗塞を発症し、平成30年6月27日に死亡しました。

 A社においては、契約者及び死亡保険金の受取人をA社、被保険者をB氏とする生命保険(定期保険)に加入していましたが、B氏に検死が行われたことやA社内における混乱もあって保険請求が7月3日となり、7月10日に保険金の支払通知を受取り、7月12日に入金がありました。

 この場合における、B氏の死亡保険金の収益計上時期について考えてみたいと思います。

 法人が契約者であり受取人である生命保険契約の受取保険金の収益計上時期としては、
 ⑴被保険者の死亡の日
 ⑵保険会社に請求した日
 ⑶保険会社から支払通知を受けた日
 ⑷保険金の支払を受けた日
が考えられます。

 法人税法上は、死亡保険金の収益計上時期について特段の規定がなく、取扱い等も示されていませんから、法人税法22条4項の「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」に従って解釈すべきと考えます。

 法人における収益は、その実現があった時即ちその収入すべき権利が確定したときの属する事業年度の益金の額に算入するという権利確定主義を原則としますが、生命保険契約における死亡保険金の支払事由は被保険者の死亡事実にほかならないことからすると、保険事故たる死亡事実の発生日において保険金の収益が確定するのではとの考え方もあり得ると考えられます。

 しかしながら、実務上は、保険金支払いに先立つ免責該当事項の存否等に係る保険会社の調査が必要な場合等があるため、保険金の支払が死亡した日を含む事業年度中に行われない場合や、調査の結果次第では保険金の支払を受けられない場合もあり得ることからすると、保険会社からの支払の通知を受けた日をもって権利確定の日と認めるのが相当であり、例えば、収益計上の繰延べを意図として故意に保険請求を遅らせるなどの事実が明らかな場合でない限り、保険金の支払通知を受けた事業年度の益金の額に算入するのが相当と考えます。

筆者:光永 和彦