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札幌の税理士事務所からのお知らせ
2019.01.23
払い済み保険への変更
 法人において定期保険に加入し、節税を図りながら退職金の資金を貯めている会社もあるかと思われます。ただ、「経営状況が加入時よりも悪化したために保険料の支払いが苦しくなってきた」という会社も少なからずあるのではないでしょうか。
 その場合は定期保険を払い済み保険へ変更し、今後の保険料負担をなくすと同時に一定額の死亡保障も確保しておくという事ができます。

 これだけを見ると良いことばかりの気がしますが、実際に行うときは会社の財務バランスや損益の状態を把握してから行わないと思わぬ税負担が生じる可能性があるため注意が必要です。

 仮にですが、払い済み保険への変更時における「解約返戻金相当額が3千万円」で「帳簿上の積立(前払い)が2千万円」の場合、差額の1千万円は変更時の収入として計上する必要があります。
 会社が赤字決算の見込み、若しくは繰越欠損がたくさんある場合は税負担が生じない可能性もありますが、今期が黒字で繰越欠損もない場合はこの1千万円に対して法人税が生じてしまいます。
 しかも、保険を解約している訳ではないので「解約返戻金相当額3千万円」もまだ会社には入ってきていません。会社の経営状況が厳しいから払い済み保険に変更して楽になる予定だったのに、余計な税負担が生じるという思わぬ状況になってしまうと元も子もありません。

 税金を支払う資金がなければ結局は解約をして現金を受け取る必要がでてきます。
 「資金繰りが厳しくなったら払い済み保険に変更できます」という言葉は心地よいですが、会計処理や会社の現況を把握したうえで行う必要がありますね。


執筆者:税理士 佐藤友一