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なぜ建設業に税務調査が多いのか

建設業は税務調査に入られやすいと言われますが本当でしょうか。

令和4年12月に国税庁より公表された「令和3事務年度 法人税等の調査事績の概要」を見るとそれがわかります。

不正発見割合の高い10業種(法人税)に建設業が複数ランクインされています。

不正発見割合の高い10業種(法人税)
不正発見割合の高い10業種(法人税)
なお、過去5年のデータを見てもやはり同様に継続してランクインされており、税務署としても不正が多い業種と認識していることがわかります。

建設業の税務調査で論点になりやすい項目

建設業の特性として、次のようなものがあります。

・工事1件あたりの売上が高額になりやすい
・工期が長期にわたり、売上との原価対応の管理が煩雑である
・紹介料など高額な経費が出てきやすい
・外注費or給与の論点が出てきやすい

税務調査で論点になりやすい項目とその対応策について記載していきます。

売上計上時期

収益計上時期は、工事完成時に全額計上する工事完成基準と、工事の進捗度に応じて計上する工事進行基準の2つを選択適用することができます(工期が1年以上に及ぶような長期大規模工事は工事進行基準のみ)。

中小企業の場合は、管理が簡単な工事完成基準を採用することが多いと思います。

工事ごとに進捗状況をしっかり管理するようにしましょう。

期ズレ

例えば受注した工事の期間が6カ月かかり工事完成基準を採用している場合、売上計上は工事がすべて完了したときに全額を計上しますが、材料や経費は売上計上より先に請求がくることが多いと思います。

工期の途中で決算期を迎えた場合、既に支払っている材料費や経費は売上と対応させる必要があるため、これを棚卸資産として計上し今期の経費にすることはできません。

なお、複数の工事現場に共通して発生する間接工事費は各工事に按分して計上しなければいけないことにも注意が必要です。

工事台帳により各現場にかかったコストをしっかり集計して会計処理を行いましょう。

専属外注費or給与

受注した工事をすべて自社の従業員で対応できればいいですが、中小企業の限られている人的リソースのもとでは難しいことが多いです。

そのような場合、工事の全部または一部を外部に依頼することになりますが、自社の専属外注先である個人事業主と、自社の従業員で働き方などが同じ場合には税務上問題になることが多いです。

外注費にするほうが会社にとっては得になるケースが多いです。
・消費税の仕入税額控除がとれる
・社会保険の加入義務がない
・給与の場合は仕事がない時期でも最低賃金以上の給与を払わなければならないが、外注費の場合は仕事があったときだけ金額を設定できる。

したがって、実態は従業員となんら変わらないのに、形式的に業務委託の契約書を作成して外注費として処理することがありますが、それは危険です。

この論点の詳細は他ブログに譲りますが、建設業特有の重要な論点ですのでしっかり対策を検討しておきましょう。

建設業の税務調査におけるポイント

重加算税

売上の計上漏れや計上タイミングのズレ、経費をめぐり、税務署は何かと不正にあたる重加算税を主張してきます。

私の感覚としては、税務署が重加算税を持ち出すものの半分以上は本来重加算税が課されるべきではないものだと思っています。

税理士の知識不足や折衝能力不足によりこれを認めてしまっているケースが多いのが現実です。

重加算税の課税根拠や過去の判例などから、本当に貴社のケースが該当するのか納得いくまで確認すべきです。

外注費or給与

外注費が給与と認定されると、仕入税額控除否認、源泉所得税徴収漏れとして追徴課税されることになり、その影響は大きいです。

この論点は形式面ではなく、実態で判断すべきもので、個々の要素をもとに総合的に判断することになります。

これも法令では曖昧な点が多く、過去の判例等も踏まえて判断することになります。

私的な経費

これは建設業に限らないことですが、稀に社長の個人的な支出が交際費などの経費として計上されてしまっていることがあります。

これについて、税務署は役員賞与になるとして、損金不算入、源泉徴収漏れ、仕入税額控除否認を言ってきますが、税理士も知識がないためにこれをそのまま認めてしまうことが多いようです。

弊社ではこれを回避する方法があります。

セカンドオピニオン

税務調査は本当に対応する税理士によって大きく追徴税額が変わってきます。

税務署から言われたとおりに修正するだけでは税理士になんの価値があるのでしょうか。

税法はもちろん、民法・会社法などの法的根拠を持って粘り強く交渉できる税理士に依頼すべきです。

税務調査の途中でも、他の税理士に相談することは何も問題ありません。

途中からでも税務代理権限証書を税務署に提出することで新たな税理士も税務署と交渉することができます。

弊社がセカンドオピニオンとして対応し、納税額が大きく減少したケースはたくさんあります。

もしも納税額が変わらなければ報酬は請求いたしませんので、お気軽にご相談ください。


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