会計事務所職員の独り言 その6
今回は、「調和」というテーマでお話しさせていただきたいと存じます。
コロナ禍の中で感じることは、全てのものが繋がっており、回り回って自分(自社)に何らかの形で返ってくることです。
要は、目には見えませんがあらゆる事象は正・負の相関関係の中で成り立っているということです。決して特定の者だけが永久に莫大(過剰)な利益を維持することはできないということです。なぜならば過剰な行為はどこかに歪を生じさせてしまいます。その歪が是正されずに進んでいくとその歪が結果、自社に何らかの形で返ってくるからです。
書面の関係上、歪の結果の事象として一つ例を上げてみたいと思います。
・株主又は特定の者を「必要以上に優先する」ことで自社の総合力(差別化戦略)が薄れ信用を低下させてしまう結果を招くリスク。
ここで重要なポイントは「必要以上」というキーワードです。
企業を運営していくためには、適正な利益と配分が必要となりますが何事もバランスを欠いてしまえば「相関関係」の見地からは歪が発生してしまいます。
そこで、この歪を最小限にすべきバランス感覚が必要となります。
では、具体的にどの様な方法が考えられるでしょうか。
そのためには、企業の「必要利益」を設定することはもちろんですが、その原資となる売り上げをどのように構築するかを考えなければなりません。
そこで、書面の関係上売り上げ構築において歪が生じないようにするポイントの中で特に重要と思われる項目を上げさせて頂きます。参考になればと存じます。
・他の得意先より単純に単価を下げることにより販売拡大を図ることや、急速な業務拡大等は時として社員にとっては物心共に疲弊させてしまうことになり、結果、企業の信頼を低下させてしまう大きなリスクを包含する。
では、包含リスクを避けるための「打ち手」として有効な手段を考えてみたいと思います。
一言で申し上げると「調和」(利害関係者(相関関係)のお互い一番良い状況)を常に心掛け、前回のテーマでクローズアップした「感謝の心」が自然発生する企業風土を構築することであり、それは企業経営側が意識しなければ実現しないものであります。
そのための適正な売り上げ単価をどう構築するかは、企業の差別化により高付加価値な商品・サービスの提供をどの市場に向けて提供するかがポイントになります。
全てを市場とする販売戦略は差別化が困難であり、低単価戦略は自社の業績低下を招くばかりか業界の収益構造まで押し下げ、人材が集まらない業種にまで発展しかねません。
最後に「良いことも度を超えてしまうと弊害となる」、特に急激な展開時には常に自問自答することが肝要と考えます。
著者:國安 浩文