会計事務所職員の独り言 その3
-テーマ2-
社員が5名以上になったなら、出来るだけ早いうちに中期経営計画を策定し「企業の出口戦略の共有化」を図るべきです。(トップと社員との信頼関係の構築が企業の業績に直結するのであって、これを度外視した小手先的な成長戦略は企業の独自性を喪失させる。=価格競争により収益性の低下を招くリスクが包含されます。
今回は、テーマ2を数回に分けてお話しさせていただきます。
前回は、社員のモチベーションの維持の必要性について述べさせていただきました。
ついこの間、社長様とのやり取りで思ったことがありましたので、テーマ2に入る前にお話しさせていただきます。
それは、「社長のモチベーションをいかに高くし、それを維持するか?」です。
私は、本来人は決して強い存在では無いと思います。しかし、ある条件が揃うと大変強い存在に変わります。
それは、「信念に基づく使命感」を達成すべく行動しているときです。
逆に、この部分を社長が無くしてしまうと、モチベーションの維持は困難になり、会社そのものに活力が無くなります。
では、どの様にすればモチベーションを維持することが出来るのでしょうか?
私の考えは、自社の商品等を含めた総合的サービスを必要としているお客様の情報を可能な限り収集し、そのお客様に対し自社を知って頂き(営業活動)、商品等を含めたサービスを適正な価格(価格競争に巻き込まれない価格)で提供(販売)し、お客様から感謝されること(適正利益の確保)が、会社の存在価値(更なる成長)であり、それを実感することが出来れば、モチベーションは下がることは無いと考と考えます。
特に中小企業の場合は、社長のモチベーションが会社全体に与える影響は予想より、はるかに大きいと考えます。
まずは社長自身が自社の存在意義(信念)を明確にした上で、経営戦略(使命感)を構築(社長の重用業務)し、営業(戦術)は企業規模に応じ、創業時は社長自らが行い、規模の拡大(成長)に応じ、社員が主体となって活動(組織化)する方向に移行することがポイントとなると考えます。
もし、このプロセスを軽視して規模の拡大を図ったなら、自社の取り巻く環境が悪化した時に数字になって現れると考えます。
その時に、それを環境のせいにしてモチベーションを下げてしまう(弱い存在)のか、「信念と使命感」によって、モチベーションを維持(強い存在)し活路を切り開いてく企業になるかは、全て社長の考え方にかかっていると考えます。
著者:國安 浩文