会計事務所職員の独り言 その2
-テーマ1-
経営計画(損益・資金繰り計画とそれを達成するためのアクションプラン)を作成することは、トップの方向性のミスマッチにより努力しても結果が出ないなどの弊害を事前に防止する目的であると同時に、モチベーションの維持のためにも絶対不可欠なものです。
今回は書面の関係から、経営計画の具体的内容に入る前にその基盤となる重要な原理について考えてみたいと思います。
企業(個人事業含む)の業績は、トップと社員(パート・派遣社員含む)の幸福感に比例します。なぜならば、「人は感情で動くものであるため、合理化イコール業績の向上には繋がらない。組織は、トップと末端の社員(お客様と直接接するパート社員含む)との信頼関係次第でプラスにもマイナスにもなる。」そこを度外視した事業規模拡大は大きなリスクを包含することになります。
これを解りやすく解説するため、社員の自立的行動の原動力をモチベーション指数として考えてみました。
例えば社員(モチベーション1.0)5人の会社があって、現状の環境で利益トントンの企業は、1.0×5人=5.0・・・(A社)
社員とトップの信頼関係向上により、モチベーション1.1となれば、1.1×5人=
5.5(全体で0.5向上)・・・(B社)
社員とトップの信頼関係悪化により、モチベーション0.9となれば、0.9×5人=
4.5(全体で0.5低下)・・・(C社)
A社 B社 C社
売上高 10,000 11,000 9,000
粗利 2,000 2,200 1,800
固定費 2,000 2,000 2,000
利益 0 200 △ 200
*A社がB社又はC社になるかによって業績は大きく異なることが解ります。また規模の拡大により金額も比例することも解ります。
企業規模拡大のメリットはB社にあるといえますが、トップと社員の信頼関係を悪化させる可能性がある規模拡大はC社に進む可能性が大きいといえます。
そのミスマッチを事前に防止し、A社がC社になることを防止し、B社に向かう方法が必要になります。次回は、その内容についてお話しさせて頂きます。
筆者:國安 浩文