会計事務所職員の独り言 その15
今回は、「顧客定義」について考えてみたいと思います。
最近、ふと気が付いたのですが、○○さんのお客様は皆、素敵なお客様が多いですねと言われることについて、たまたま確率の問題なのだろうとあまり深く考えたことが無かったのですが、最近ある出来事から「ひょっとしてこういうことなのかな」と思うことがございましたので何かの参考になればと思い話をさせて頂きたいと存じます。
「朱に交われば赤くなる」という諺がございますが、人は相手と出会う機会とその時にどの様な付き合い(話し合い等)をするかによって本来、自分の持っている良い部分とその逆の良くない部分のどちらかの自分が現れる様な気がします。
自分の良い部分を発揮するためには、積極的にどのような人と接点を持つかがポイントになるということです。
自分がどのような人と接点を持つかによって人生そのものが変わってしまうほどの影響を受けるとしたら、どの様な人と接点を持つかが非常に大切になると思います。
これを企業に置き換えて考えてみたいと思います。
私個人の考えではありますが、理想的な企業のイメージは自然と企業内部(社員等)・外部(お客様・取引先等)の人々から「感謝」され「他と比べると高いけど、ここでなければダメなんだよね」と大勢の人から支持されるそんな企業です。
人も企業も原点は一緒である筈ですので、企業の独自性を発揮したければどうしても「顧客定義」が必要となると思います。
色々な価値観を持った全ての市場を顧客として企業規模を広げてしまうと「朱に交われば赤くなる」という諺があるように企業の独自性を確保することが困難になるでしょう。
そこで企業の独自性を確保するためには、自社の価値観を理解しているお客様(固定客)と潜在需要をもった市場の新規顧客層(営業のターゲット)を「顧客の定義」と定めて企業活動を行っていくことが、理想的な企業の構築を図るための重要なポイントになると思います。
以上により、「顧客定義」を確立して企業の価値観を共有できる市場を絞り込むことによって企業の独自性を担保することが可能になると思います。
いかがでしょうか。創業から人一倍努力をして業績を伸ばしてきたけれども理想に掲げた企業イメージとズレを感じた時などは、初心に立ち返り現在の顧客層や取引先との付き合い等について本来目指していた方向性との乖離が無いかなど一度立ち止まり検証してみるのも良いと思います。
今回もあくまでも私の所見であり、様々な考えがあると思いますが少しでも何かの参考になれば幸いに思います。
著者:國安 浩文