法人の不動産取得時の諸費用の取り扱いについて
不動産の取得時には様々な費用がかかります。
その費用の中には、取得時に全額経費に算入できずに資産の取得価額に含めるものがありますので注意が必要です。
ここでは法人において代表的な費用の取り扱いについてご説明します。
① 仲介手数料
不動産の仲介業者へ支払う仲介手数料は経費に算入することはできず、土地や建物の取得価額に算入されます。
② 固定資産税精算金
固定資産税は、その年の1月1日における不動産の所有者が納税義務者となる税金です。
例として、2020年10月1日に不動産を売却した場合、売主が2020年1月1日時点での所有者となるため10月から12月までの分も含めて売主が負担しています。
そのため、売主が買主に対して、不動産の譲渡日からその年末までの期間に対応する固定資産税相当額(=固定資産税精算金)の負担を求め、譲渡代金とは別に受領する慣習があります。不動産売買における固定資産税の精算処理です。
固定資産税精算金は、地方公共団体に対して納付する固定資産税そのものではないため、売買価格の一部として不動産の取得価格に算入されます。
③ 登録免許税・不動産取得税
不動産取得時に発生する税金です。
原則として、資産の取得に関連する費用は取得価格に含みますが、登録免許税・不動産取得税については、取得価額に算入しないことができます。
【まとめ】
①仲介手数料
②固定資産税精算金
「資産計上」となります。
③登録免許税・不動産取得税
「費用計上」と「資産計上」の選択ができます。節税を優先するのか、営業利益を良くする(“融資を受けやすくなる”というメリット)のか、総合的に判断してどちらの処理にするのか選択しましょう。
執筆者:宮﨑