税金コラム

登記費用は経費になりますか?

登記といっても様々ですが、例えば不動産を取得したときも登記が必要になりますし、法人の役員が就任若しくは退任したときも法務局で登記を行う必要があります。
それでは下記の事例の場合、その登記費用は経費になるのでしょうか?

<事例1>
Q)譲渡所得の申告にあたり、不動産の売却時に抵当権抹消登記を行った場合の登記費用は譲渡所得の経費になりますか?

A)経費にはなりません。
譲渡所得の場合、不動産を売買するために直接要した費用は経費として認められますが、抵当権の抹消登記は銀行からの借入金返済を履行したことに伴い生じた費用であるため、「売買をするために直接要した費用」としては認められません。

なお、事業の用に供していた不動産の場合は、事業所得または不動産所得の必要経費に算入することができます。

<事例2>
Q)不動産所得の申告にあたり、相続により不動産賃貸業を引き継ぐことになったためその不動産の登記を行った場合の登記費用は不動産所得の経費になりますか?

A)経費として認められます。
不動産の相続登記についても不動産所得を生じさせるための費用としては微妙なところではありますが、所得税基本通達37-5において「業務の用に供される資産に係る固定資産税、登録免許税~~必要経費に算入する。この資産には相続、遺贈又は贈与により取得した資産を含むものとする」と規定されています。

登記費用といってもそれが何のために行うのかにより経費になるのかならないのか答えが変わりますので、支出の目的から正しい判断ができるように気を付けてみてください。

執筆者 税理士 佐藤友一

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