自家用車を業務用として使用する(事業転用)場合の減価償却費
個人事業主として事業の車を購入した場合の減価償却費についてはご存知の方も多いと思いますが、元々所有していた自家用車を事業用の車両として業務で使用することになった場合の減価償却費に関して、見逃しがちなポイントをお伝えします。
例えば、
・2011年12月に自家用車を購入
・購入価格(取得価格):330万円
・事業として車両を使い始める日(事業転用日):2019年1月
とします。
普通自動車の法定耐用年数が6年なことをご存知の方は多く、上記例の場合既に7年2か月経過しているので、「古い車だから資産価値はもうない」と諦める方がいらっしゃいます。
ですが、固定資産を事業転用する場合、転用する前の耐用年数については法定耐用年数の1.5倍の年数があるものとして未償却の金額を求めることができます。
つまり、このケースでは購入時から法定耐用年数6年×1.5年=9年の耐用年数があるものとして計算し、事業で使い始めたときに未償却残高がある場合はその金額を帳簿に反映することができます。
細かい計算方法は割愛させていただきますが、
取得価格-私用期間で算出した価値の減少額 = 未償却残高 と算出され、7年2か月経過している上記の車両でも、事業転用日には約99万円の資産価値(未償却残高)があり、2019年の普通償却限度額は約55万円となりました。
節税対策として効果が高く、見逃しがちなポイントになりますので、自家用車をお持ちの場合は積極的に税理士に相談しましょう。
筆者:石山有美