税金コラム

コインチェック社のNEM流出に係る補償金の税務上取扱い

国税庁は4月16日に「仮想通貨交換業者から仮想通貨に代えて金銭の補償を受けた場合」のタックスアンサーNo.1525を公表しました。

結論からいいますと、コインチェック社から支払われる補償金は、原則として、非課税となる損害補償金には該当せず、雑所得となり他の所得と合算して総合課税となるようです。

したがって次のようになります。

・受け取る補償金>仮想通貨の取得価額 ⇒ 雑所得として総合課税

・受け取る補償金<仮想通貨の取得価額 ⇒ 他の雑所得と通算可(雑所得以外の所得とは通算不可)

しかし、上記の取扱いはあくまで原則であり、その契約内容や補償金の性質等を総合勘案して判断されるようです。

つまり、慰謝料として補償金を支払うという性質が強い場合には、心身又は資産に加えられた損害につき支払を受ける相当の見舞金として、非課税となる可能性もあるようです。

何やら複雑な取扱いですね。

実務で出てきた際には専門家に相談されることをおすすめします。

所得税法第9条

十七 保険業法(平成7年法律第105号)第2条第4項(定義)に規定する損害保険会社又は同条第9項に規定する外国損害保険会社等の締結した保険契約に基づき支払を受ける保険金及び損害賠償金(これらに類するものを含む。)で、心身に加えられた損害又は突発的な事故により資産に加えられた損害に基因して取得するものその他の政令で定めるもの


所得税法施行令第30条  非課税とされる保険金、損害賠償金等

法第9条第1項第17号(非課税所得)に規定する政令で定める保険金及び損害賠償金(これらに類するものを含む。)は、次に掲げるものその他これらに類するもの(これらのものの額のうちに同号の損害を受けた者の各種所得の金額の計算上必要経費に算入される金額を補てんするための金額が含まれている場合には、当該金額を控除した金額に相当する部分)とする。

  • 三 心身又は資産に加えられた損害につき支払を受ける相当の見舞金(第94条の規定に該当するものその他役務の対価たる性質を有するものを除く。)

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